衛生管理とは?

衛生管理とは、働く人たちの健康状態の管理や、健康を阻害しないような職場環境の管理をすることです。また、労働者への安全・衛生教育も合わせて行います。

働く人たちの「命」と「健康」を守るとても重要な仕事です。

衛生管理の具体的な業務内容

衛生管理者が行う業務は大きく3つです。

1つ目は従業員の健康のために働きかけることです。衛生管理者は、従業員の健康を守るために定期的な健康診断を実施することで病気の早期発見に努めます。それだけでなく、その後のアフターケアやアドバイスを行います。

2つ目は従業員の働く環境を最適にすることです。照明の明るさや温度、湿度が適正なものであるかチェックし、作業しやすい環境にすることも重要です。さらに従業員の健康を阻害するような騒音や振動などにも注意するほか、しっかりとした換気で有害物質の発生を抑えたりします

3つ目は万が一問題が起きた際の準備を整えることです。従業員がケガをした時に、すぐに処置できるような環境を整えておくことも大切です。そのためにも保護メガネや防護服などの労働衛生保護具、救急用具を整備しておきます。

衛生管理の仕事は忙しい?

大規模な会社では、専任の衛生管理者として衛生管理の仕事に集中することができますが、ほとんどは他の業務と兼任するケースが多く、それが大変な点と言えます。

衛生管理者の働きにより職場内の労働環境の改善に繋がり、労働災害や健康障害を防止します。より働きやすい環境づくりに貢献できるため、やりがいの大きな仕事です。

衛生管理者になるためには資格が必要

衛生管理者になるためには、労働安全衛生法により定められた国家資格が必要です。
資格には「第一種衛生管理者」と「第二種衛生管理者」の2種類があります。

・第一種衛生管理者……すべての事業場で衛生管理者になれる
・第二種衛生管理者……定められた一定の業種でのみ衛生管理者になれる

衛生管理者は、性別や年齢に関係なく務めることができ人気のある仕事です。

また労働安全法により、従業員50人以上の職場には必ず1人以上の衛生管理者がいなければならないと定められます。このように衛生管理者のニーズは高いので、専門的知識を身につけ衛生管理者の国家資格を取得することをおすすめします。

第一種衛生管理者、第二種衛生管理者の違い

第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の大きな違いは、対応出来る業種の数にあります。第一種衛生管理者は有害性の高い業種でも衛生管理者として働ける一方で、第二種衛生管理者は有害性の低い業種に限り、仕事に就くことができます。

【有害性の高い業種とは】
・電気、ガスなどのライフラインに関する業種
・医療業
・清掃業
・運送業
・加工することを含んだ製造業や建設業
・自動車整備業
・化学物質を扱う仕事

衛生管理者として働きたい方は、どの業種で仕事をするかによって取得するべき資格が異なるので、注意が必要となります。

「衛生管理者」の合格率は?

 衛生管理者の合格率はそれほど低くはありません。安全衛生技術試験協会によると、令和2年度の合格率は以下のとおりです。

・第一種衛生管理者……43.8%
・第二種衛生管理者……52.8%

衛生管理は良い職場環境を作り、健康を守る重要な仕事

安全で健康に働くためには衛生管理が必要です。
幅広い業種においてニーズがあり、これからも活躍が期待できる職種、資格と言えます。

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