施工管理の仕事は激務って本当?
施工管理などの建築関連の仕事は「激務」であると、目にしたことがあると思います。
施工管理の仕事は本当に激務なのでしょうか?
結論は激務ではありませんが、仕事量が多く大変な職種であることは事実です。
施工管理の仕事は非常にやる事が多く、時間に追われていることが多いです。そのため、休日に出勤したり、残業したりすることが多くなります。
本記事では激務と言われる理由について詳しく解説します。
施工管理が”きつい”と思われるポイント4つ
労働時間が長い
施工管理の仕事は労働時間が長く、会社によっては週休一日となってしまう現場もあります。
現場には必ず工期(工事を終わらせなければならない期間)というものがあります。あらかじめ決めたスケジュール通りに進めば問題はありませんが、作業員が足りていない、資材が届いていない、天気が悪くて作業できないなどの理由からスケジュールに遅れが生じてしまうことも少なくありません。
そして工期の遅れを取り戻すために休日に出勤したり、残業しなければならず、労働時間が長くなってしまうのです。
国土交通省による調査では、週休二日を取れている現場は全体の約1割と言われており、建設業の年間出勤日数は全職種の平均より29日多いと言われています。
このように建築業界全体で休みが少ないですが、働き方改革が推奨されており、労働時間や休日制度が見直されてきています。また工期が短いことが原因で労働時間が長くなってしまうため、これからは工期を見直し、発注者による適正な工期の設定が必要になってきます。
一方で、残業や休日出勤することで手当てがついたり給料が増えたりするため、お金を稼ぎたい人は週休一日でもいいと感じている方も多くいるようです。
働き方改革が推奨され建設業界が変わりつつありますが、週休二日でしっかり休めることを優先するか、週休一日でも多く稼ぐことを優先するかで、入社するべき会社が変わってくるので注意が必要です。
仕事量が多い
現場での作業
現場では4大管理(工程管理、品質管理、安全管理、原価管理)を徹底して行います。1つでも疎かにしてしまうと全ての計画が崩れてしまいます。そのため、決して手を抜くことはできません。
大抵の現場では朝8時に朝礼が始まるため、現場監督は1時間前の7時に現場入りすることが多いです。夕方から夜にかけて現場での仕事はひと段落しますが、そこから事務作業を行うこともあります。
また作業員の不足や天候などの理由で、最初に定めたスケジュール通りにはなかなか進まず、常に工期に追われていることが多いです。工期に追われることはプレッシャーになってしまい、そこからミスに繋がることも少なくないようです。
新しい知識を習得するための勉強
施工管理は勉強することも多い職種です。資格取得のための勉強や新しい担当現場で必要な工法や資材の知識を頭に入れなければならないため、常に勉強することが求められます。
以上のように、施工管理の仕事量はとても多いです。そのため、残業や週休一日などが多くなります。しかし、これらも働き方改革が推奨されてきているため、事務作業の外注化やITツールの導入などで少しでも施工管理の仕事の負担を減らそうと努力している企業は増えてきています。
人間関係
厚生労働省による過労死等防止対策白書のストレス・悩みに関するアンケートでは、約3割の人が「顧客からの過度な要求」や「職場の人間関係」などのコミュニケーションにおいて、ストレスを感じていると答えています。
施工管理の仕事は、発注者と現場の作業員との間に立つ仕事であるため、両者との調整に気を使うことが多く、板挟みにされることもあります。
無茶な要望で急な対応を求められることもあり、例えば何度も図面を修正したり、工期の短縮を求められることもあります。
また作業員の方の中には、気の荒い方や何事においても知っていて当然という方も多く、怒られることも多いようです。自分のやり方を貫く作業員の方もおり、意見が割れるとその場で収まらないことも多いため、普段から積極的にコミュニケーションを取り、良好な人間関係を保たなければなりません。
最近はコロナで減ってきているようですが、コミュニケーションの1つとして飲み会という文化があったりもしました。
きつい、汚い、危険の3K
3Kとは、「きつい」「汚い」「危険」の頭文字からとったもので、建設業では3Kという言葉が使われることが多いです。それぞれの理由について説明します。
きついと言われる理由
施工管理の仕事は、気温による辛さが伴います。夏の暑い日でも安全のために長袖の作業着を着て現場を監督しなければならず、熱中症の危険性が高まります。
作業員が少ない場合には、資材運びを手伝うこともあります。また残業によって睡眠時間が削られたり、労働時間も長いため体力が必要になります。
汚いと言われる理由
現場を綺麗に保つことも施工管理の仕事の1つですが、それでも実際の工事現場では騒音やホコリが多く、慣れないと体調を崩してしまうとも言われています。
危険だと言われる理由
工事現場では危険な作業が多く、注意をしなければ事故が起こる可能性があります。重機に巻き込まれてしまったり、高所から転落してしまう恐れもあります。
以上のように、施工管理の仕事は「きつい、汚い、危険」の3Kで知られていました。しかし、平成27年には「給料、休日、希望」の新3Kが提唱されました。
現在では、安定した仕事量の確保や週休二日の工事への取り組みなどが見直されてきており、働きやすさが増しています。
施工管理は大変な仕事だが、働き方改革によって変わってきている
施工管理は、仕事量が多く休日に出勤したり、残業をしたりするので大変な仕事と感じる方もいるでしょう。しかし、現在では働き方改革が推奨されており、施工管理の仕事のあり方が見直され、働きやすくなってきています。
また何よりもやりがいや魅力の多い仕事でもあり、1つの現場が終わって建物が建った時の達成感は言葉で表せないほど大きいものです。
これからもどんどん成長していく建設業界に興味のある方は一歩進んで、実際に経験してみることをおすすめします。