施工管理の仕事に関わる4つの役職と求められる能力
施工管理の仕事には、現場監督だけでなく、現場をまとめて工事をスムーズに進めるために主任技術者や監理技術者を配置しなければなりません。いずれも命を預かる責任の大きい仕事ですが、一体どのようなことをするのか、分からない方も多いと思います。
それぞれの役職の仕事内容、それぞれに求められるスキルや資格、資質やその違いについて紹介します。
現場監督
現場監督とは、作業員に対して的確な指示を出し、スケジュール通り工事を進めるだけでなく、品質や安全を管理し、決められた予算内で工事を終えられるように調整することが主な業務です。
各工事現場に必ず1人以上の現場監督を配置しなければなりませんが、大抵の場合は主任技術者や監理技術者等の資格保有者が現場監督として務めます。しかし、会社によっては資格を持たなくても現場監督として働けることがあります。
現場監督は、先を見通して作業員に指示を出すだけではなく、作業員の命を預かる大事な仕事です。1つのミスが最悪の場合、死亡事故に繋がる恐れがあります。そういった責任感とリーダーシップが特に求められます。
主任技術者
主任技術者とは、比較的小さな規模の工事をスムーズに進めるために配置される建設現場の工事責任者のことです。主な業務内容は現場監督と同様に4大管理(工程管理、原価管理、安全管理、品質管理)をすることです。
主任技術者は、4000万円未満の各工事現場(建築一式工事の場合は6000万円未満)では必ず1人以上配置しなければならないという決まりがあります。
参考:建設業法第26条(主任技術者、監理技術者の配置)
そのため、大抵の会社では主任技術者や監理技術者が現場監督を務めることが多いです。
主任技術者になるためには以下の3つのルートがあります。
このように実務経験を積めば、誰でも主任技術者になれる可能性がありますが、作業員の命を預かる仕事であることを自覚しなければなりません。
監理技術者
監理技術者とは、比較的大きな規模の工事をスムーズに進めるために配置される建設現場の工事責任者のことです。主な業務内容は、現場監督や主任技術者と同じ4大管理(工程管理、原価管理、安全管理、品質管理)です。
監理技術者と主任技術者との大きな違いは担当できる工事の範囲の広さにあります。
主任技術者は4000万円(建築一式工事の場合は6000万円)未満だったのに対し、監理技術者は、4000万円(建築一式工事の場合は6000万円)以上の各工事で元請け会社が必ず1人以上配置しなければなりません。
参考:建設業法第26条(主任技術者、監理技術者の配置)
監理技術者になるためには以下の3つのルートがあります。
・指定学科を修了し、一定の実務経験期間を満たした者で、指導監督的な実務経験を2年以上積んだ者であること。
・10年以上の実務経験期間を満たした者で、指導監督的実務経験を2年以上積んだものであること。
参考:国土交通省「技術検定の概要」
監理技術者は誰にでも簡単になれるものではなく、大手建設会社が競合して人材の確保にあたるため、年収が高くなる傾向にあります。一方で主任技術者よりも責任感はより大きくなります。
現場代理人
現場代理人とは、経営者の代理人として、工事現場でスムーズに進めるための管理業務等を行う人です。工事請負業者の経営者は、全ての工事現場に出向き管理することは難しいため、現場代理人にその責任や権限を与えます。
主な業務内容は4大管理であり、現場監督や主任技術者、監理技術者と多く被る部分がありますが、それに加えて工事の取締や請負代金のやり取りを行います。
基本的に現場代理人を配置しなければならないという決まりはありませんが、公共工事の場合に限り、現場代理人を配置しなければなりません。
特別な資格などは必要なく、誰にでもなれる可能性のある役割ですが、場合によっては主任技術者や監理技術者よりも責任が伴います。
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以上、施工管理の役職について解説しました。
工事現場の責任者として働くためには、作業員への指示出しやコミュニケーション能力、先を見通す力、そして命を預かるという責任感の伴う仕事であることを何よりも理解しなければなりません。
まずは資格を必要としない現場監督として経験を積み、資格を取得することが1人前の施工管理者としての近道になるでしょう。
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